ご挨拶
新生吸入療法アカデミーに向けてのご挨拶
一般社団法人 吸入療法アカデミーは、2013年11月に設立されました。これまで、1100名を超える認定吸入薬剤師が誕生し、1300名以上の医療関係者に講習会を行ってきました。この実績は、吸入療法にかける会員の情熱と使命感に支えられた活動と、より良い吸入療法の普及のためにお力添え頂きました薬剤師会をはじめ、多くの方のご理解とご支援のおかげと、心より御礼申し上げます。
近年の新型コロナウィルスのパンデミックにより、当法人も止む無く活動休止をしなければならない事態に陥りました。しかし、吸入療法にかける会員の熱い思いに支えられ、この苦境こそ吸入療法アカデミーが新生する機会と思い至りました。
これまで、認定吸入指導薬剤師・看護師のみが入会条件でしたが、今年度より一般会員、アーカイブ会員、認定会員の3種の会員カテゴリーを設け、より入会いただきやすくなりました。
これまでの対面型の講習会スタイルとともに、Web型の講習会を増やし、講習会の映像をアーカイブ動画としても視聴できるようになります。また、理事会メンバーも新生し活動の活性化を目指し、県ごとの範囲枠で設立していた地域セクション制から、全国を東日本・中日本・西日本のブロックに大きく3つに分け、各ブロックで年数回講習会を企画し、全会員がどのブロックの講習会にも参加できるようにしました。これにあわせて、クラウドによるインターネット会員管理システムを導入し、会員自身で講習会の受講歴等も分かるようになりました。本法人開発のクラウド型医療連携システムである、すい吸い連携ネット(すいれんネット)は変わらず継続し、吸入指導連携のさらなる普及を目指します。
日本を初め世界各国の喘息やCOPDガイドラインに推奨されますように、吸入薬は治療のFirst lineであり、吸入療法は治療の主軸です。吸入薬には、その薬剤専用の吸入器具(吸入デバイス)があり、吸入療法におけるアドヒアランスは薬剤と吸入デバイスの2つがあることを忘れてはなりません。吸入指導は、この両方のアドヒアランスを向上させ、維持するために行う、吸入療法の根幹となる重要な医療行為です。臨床現場において、患者さんが吸入手技操作を上手く出来ず、適切な吸入が出来ていない場面に多く遭遇しています。いかに優れた薬剤であっても、患者さんが吸入デバイスを的確に用い、有効な吸入ができなければ、期待する臨床効果は望めません。そのため、患者さんに適したデバイスを選択し、的確な吸入指導を継続的に行うことが重要と考えます。
吸入療法アカデミーは、吸入療法への情熱と使命感を持った会員の集まりでございます。より良い吸入療法の発展のため、私達の活動にご理解とご賛同を頂き、手を携えてくださる方の入会を期待しています。
2021年12月
一般社団法人 吸入療法アカデミー 代表理事 大林浩幸